魚河岸の名で親しまれる東京都中央卸売市場築地市場は、昭和10年の開設以来、巨大都市東京の食生活をささえています。江戸時代初期(1603年)、幕府を開いた徳川家康は、江戸城内の台所をまかなうため大阪の佃村から漁師たちを呼び寄せ、江戸湾内での漁業の特権を与えました。漁師達は魚を幕府に納め、残りを日本橋で売るようになったのです。それが魚河岸の始まりといわれています。

江戸時代の魚河岸

開設当時の築地市場
 大正12年9月、関東大震災が東京を直撃、未曾有の災害はすべてを焼き尽くし、長い歴史を誇った日本橋魚河岸はその幕を閉じました。震災直後、芝浦に仮設市場が設けられましたが、同年12月には、交通の便が悪く、狭いなどの理由から、東京市は海軍省から築地の用地の一部を借り、市設魚市場として芝浦から移転させました。中央卸売市場開設までの暫定市場として建設したものでしたが、これが築地市場の始まりです。
 現在、東京都中央卸売市場は首都圏の食生活をまかなう生鮮食料品などの流通の一大拠点に発展し、中でも築地市場は日本最大の魚市場になりました。築地市場では、平成17年度実績で、一日平均3,500トンの魚や野菜などが入荷し、およそ21億円が取引されています。
現在の築地市場


 生鮮食料品等の円滑な流通を確保するための卸売の拠点として中央卸売市場は卸売市場法に基づき、地方公共団体が農林水産大臣の認可を受け開設されているものです。
 私たちが普段食する生鮮食料品は、一定の需要量に対し供給量が大きく左右する特性を持っています。それは、鮮度の低下や自然条件の変化による供給量のバランスの問題が商品価値に反映されることが要因となっています。このような特性をもった商品の売買取引においては、過度の競争・不合理な取引・非衛生的な取り扱い等を招いてしまう可能性があり、これらのことは消費者や生産者に著しく不利益をもたらすこととなってしまいます。
 このことから、公正・迅速な取引を確保し、生鮮食料品の円滑な供給及び消費生活の安定を図ることを目的として、中央卸売市場は地方公共団体により管理・運営がされており、中央卸売市場の目的となっています。



 中央卸売市場とは、生鮮食料品等の食べ物について透明性の高い、公正な取引を行ない、その生産と流通をスムーズに進めるための場です。この中央卸売市場の機能は、要約すると下記の5点ですが、その機能の大部分は仲卸業者が担っています。

 特に、蓄積したノウハウで、品質を見分ける能力、情報収集、的確な需給と判断力によって、セリ取引等の方法で価格を決める評価機能は、仲卸業者の最も大事な機能となっています。仲卸業者は中央卸売市場のプロといっていいでしょう。
写真、セリ前に下見、評価する仲卸業者
セリ前に下見、評価する仲卸業者
  • 多様なニーズに応え得る様々な品質、並びに、多種の商品の品揃え。
  • 単品目・大量に集荷した商品を多品目・少量への迅速・確実な分荷。
  • 公開の場において需給情報を背景にした、迅速かつ、公正な評価による、透明性の高い価格形成。
  • 情報の蓄積とこれを反映した、敏感で的確な需給調整。
  • 取引による代金の迅速、かつ、確実な決済。