あら・はた・くえ

質 問 「あら」、「はた」、「くえ」はどう違うのか/九州と関東の「あら」は別種か/クエは「はた」の仲間か/ニュージーランドの「あら」は別種か

回 答
「あら」と「くえ」はスズキ目ハタ科のアラとクエ。「はた」はハタ科魚類の総称。ただし、地方によってはクエを「あら」、マハタを「くえ」などと呼ぶことがあるので、注意が必要である。

解 説
 

アラはスズキ目ハタ科アラ属の魚で、本州中部からフィリピンに分布する。スズキ科に入れられることもある。ハタ科としては体が細長く、スズキに似る。鰓蓋(さいがい:えらぶた)下部に大きな1棘がある。1mぐらいになる。
 クエはスズキ目ハタ科マハタ属の魚で、本州中部からフィリピンに分布する。マハタに似るが、体がやや細く、縞模様は傾斜する。1.5mぐらいになる。
 ハタ類のうち、築地市場で「はた」と呼ばれているのは、ふつうマハタである。マハタは、スズキ目ハタ科マハタ属の魚で、北海道南部から吸収、東シナ海に分布する。体はずんぐりとして、縞模様は傾斜しない。1.2mぐらいになる。


備 考
「日本産魚名大辞典」などをもとにアラ・クエ・マハタの地方名を調べると、「あら」は関東地方から関西でのアラの名称または九州でのハタ類の総称、「くえ」は高知でのハタ類の総称または大阪でのクエの名称、「はた」は関東地方でのマハタの呼び名のようである。
 アラ、クエ、マハタの主な地方名をまとめると表のようになる。

ニュージーランドから「あら」として鮮魚で輸入されている魚は、スズキ目ホタルジャコ科のミナミオオスズキ Polyprion oxygeneios である。体形や体色はアラに似ているが、鰓蓋の下部に大きな棘がない。
 また、築地市場には、マハタのほかにも多くのハタ類が入荷するが、標準和名と異なる名称が使われることが多い。たとえば、キジハタ→あずきはた、ホウキハタ→きじはた、アオハタ→きばた、サラサハタ→ねずみはた、などである。


参考文献
阿部宗明.2003.新顔の魚 1970-1995(復刻版).まんぼう社,千葉
荒賀忠一ほか.1995.新さかな大図鑑.週間釣りサンデー,大阪.
榮川省造.1982.新釈 魚名考.青銅企画出版,箕面.
瀬能 宏.2000.ハタ科.p.690-731.中坊徹次(編).日本産魚類検索 全種の同定第2版.東海大学出版会,東京.
日本魚類学会(編).1981.日本産魚名大辞典.三省堂,東京

(注・提供資料から一部アレンジ)
   Copyright(C) 2006 touoroshi public relations section,All rights reserved.